悲願の世界遺産登録を勝ち取った「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」。
この世界遺産の構成資産の1つの「沖ノ島」は毎年5月27日に「沖津宮現地大祭」を行い、唯一、一般人が上陸できる大祭でしたが、宗像大社はこの大祭を中止する方針を固めました。
非常に残念な事だと思いますが、それは何故なのか?を考えたいと思います。
上陸禁止になった5月27日に行われる沖津宮現地大祭とは?
「沖津宮現地大祭」は、1905年に沖ノ島沖であった日本海海戦の勝利を記念して始まった大祭。
戦前は本土の大社で実施され、1958年から海戦のあった5月27日に沖ノ島で大祭を行うようになったのです。
普段は、神職10日間一人で駐在して神事を行い、交代制で、当然誰も上陸できないのですが、この「沖津宮現地大祭」だけは、唯一、一般人が上陸できるものなのです。
この大祭へは全国公募の男性約200人のみが参加できるのです。
なぜ、この大祭を中止し、一般上陸を全面禁止したのか?
理由は大きく2つ。
- 違法上陸対策の強化や保存活用協議会の設立を要請されているため。
- 来年は労朽化している、社殿を改修工事を実施する予定で、大祭の開催は難しい。
ユネスコの世界遺産委員会から、1つ目の要請があったようですね。
世界遺産に登録する事で、今まで出来ていた事が出来なくなるというのは本末転倒では?という意見もあるようですね。
確かに、それはわかりますね。。。
ただ、世界遺産に登録された事により「観光」目的で行きたいと思う方も多い中、やはりそれに応えようと観光産業からの問い合わせもあるようですし、例の「女人禁制」も「差別」と言われたりと多分、宗像大社も対応に追われていると思います。
ですから、一旦、上陸を全面禁止しこの「沖津宮現地大祭」の運営方法を再度練り直し、いつか再開されればと思います。
だいたい、その「沖津宮現地大祭」だって「文化」なのですから、今後もずっと上陸禁止はどうかと個人的には思いますね。。。
既に、沖ノ島の存在意義を理解しない輩がいる!
私も個人的に行ってみたいです。。。
けれど「伝統」を現在の価値観で勝手に解釈してまで無理やり行こうとは思いません。
そんな中「沖ノ島」周辺に、既に「沖ノ島の存在意義」を理解せず「興味」だけで、近づこうとした輩がいるのです。
既にこういう行為があるわけですから、世界遺産に登録すれば尚更です。
沖ノ島では監視カメラを付けるほどの問題になっているのです。
今回の全面上陸禁止というのは、こう行った「お馬鹿」な輩を近づけないための策でもあるわけですから。。。
ただ。。。そもそも世界遺産の登録というのはされなくてもいいのかもしれません。
毎回、海外の委員会に「お願いして」「評価」をしてもらって「登録」をしてもらう。。。
そんな事をわざわざしなくてもいいのに。。。
彼らに「格付け」「評価」される必要は無く、粛々と日本人自ら伝統を理解して守る事が一番だと最近の以下の世界遺産登録までの経緯を知るにつけ思います。
もちろん、世界遺産登録が全く意味が無いとは言いませんが。。。
世界遺産登録、世界記憶遺産登録。。。こう言ったものは、場合によっては他国との摩擦を思いも寄らぬ形で浮き彫りになる事が多く、そこまでして登録する必要あるのかな?と。
「明治日本の産業革命遺産」の登録時にも韓国が「徴用工」問題で、難癖をつけてきました。結果的に、登録したいがために世界に誤解を与える文言が入ってしまいました。。。
その舞台は「軍艦島」です。
また、今回の沖ノ島の登録に関しても、富士山に関しても「欧州の人間に日本の信仰をわかってもらうことが難しい」と言っていましたし。
改めて、沖ノ島について宗像大社のHPより。
沖津宮がおまつりされている沖ノ島は、九州と朝鮮半島とを結ぶ玄界灘のほぼ中央にあります。また、女性はこの島には渡れず、今でも古代からの風習をそのまま守り続けている神の島でもあります。この島からは、鏡、勾玉、金製の指輪など、約十万点にのぼる貴重な宝物が見つかり、そのうち八万点が国宝に指定されました。これらの宝物は国家の繁栄と海上交通の安全を祈るために、神様にお供えされたものです。その内容や遺跡の規模の大きさなどからも、沖ノ島は「海の正倉院」ともいわれています。この神宝は、辺津宮にある神宝館(しんぽうかん)に所蔵、展示されております。
宗像大社のHPより。
とにかく、毎年この「沖津宮現地大祭」に参加されてた方々にとっては残念な知らせですけど、どこかで理解されているのかもしれませんね。。。
いつか再開される事を願うばかり。